こんにちは。
先日、都道府県の魅力度ランキングが発表されましたね。
何となくランキングと聞くと気になってしまうもの。
自分の住んだことがある県や贔屓にしている県などは注目してしまいます。
ところでこのランキングの決め方や基準って気になりませんか?
今回は都道府県の魅力度ランキングについて決め方や基準について調べてみました。
都道府県の魅力度ランキングの決め方や基準は?

まず、このランキングを発表しているのは「ブランド総合研究所」です。
このブランド総合研究所は社員10人と少人数ながら、企業や地域のブランドの研究やコンサルティングを行う会社です。
会社設立は2005年ということで都道府県魅力度ランキングが始まる前年ということで、企業の歴史とともにこの都道府県魅力度ランキングも行われてきたのですね。
この「ブランド総合研究所」が「地域ブランド調査」を行い、各都道府県の認知度(どれだけ知られているか)と魅力度(地域がどのように評価されているか)という2つの指標に基づいて89項目の質問を用意して、それぞれについて答えてもらいます。
質問の答えは「以下の自治体について、どの程度魅力を感じますか?」というものに対し、「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」を50点、「どちらでもない」、「あまり魅力を感じない」、「全く魅力的でない」を0点として全項目の総合得点でランク付けされます。
この質問の答えによって出された点数を県ごとに合計していき、高得点から順番に並べたのが魅力度ランキングというわけです。
地域ブランドの質問内容はどんなものがあるの?
それでは具体的にどんな質問によってランキングが決められていくのか気になりますよね。
各都道府県に対して認知度、魅力度など全89項目の質問を設定しました 。
ちなみに昨年まではこの質問項目は84項目でした。
5項目増えていますね。
毎年同じことを続けるのではなく、より広い視野で色々な角度から県の魅力を分析できるように考えて質問が作られています。
質問内容は下記の通りです

回答者に偏りは無いの?
回答者は450万人の調査モニターの中から、居住地域別、年代別、男女別にほぼ均等となるように抽出して、メールで回答してもらうように促します。
2021年の調査期間は7月5日~7月20日でした。
回答者は47都道府県の全てについて回答するのかと思ったのですが、考えただけで大変ですよね。
そうではなくあらかじめ15~16都道府県ずつの3つのグループに分けて、この3つのグループの中からランダムに当たったグループについて解答する形になります。
回答者数は昨年までの600人から1000人に増やし、より精度を高めています。
この人数に関しては増えれば増えるほど精度は上がると思うので、今後も増やしていってほしいものです。
2021年度都道府県魅力度ランキング

それでは、今回の気になる魅力度ランキングを見てみましょう。
下図の表では昨年よりもランクアップした県は上向きの赤矢印、ダウンした県は下向きの青矢印で表示してます。
個人的には住んだことのある県に注目してしまうのですが、上位にランキングされている都道府県は誰もが納得する結果でしょうね。
住むというより、旅行するのに魅力的なところが上位に来ていますね。
そして北海道、京都府、沖縄県、東京都は昨年と全く同じで安定のTOP4ですね。
ランキングを大きく上げている千葉県や宮崎県、新潟県、三重県、高知県、山形県、岐阜県、福井県、栃木県等は都心部の近郊県で、コロナの自粛のためあまり遠出はできないので近場で遊ぼうという流れで人がたくさん来ることになったということが要因みたいですね。

このランキングで注目を浴びるのは下位ランク
実はこのランキングは下位の都道府県程注目される傾向にあります。
自分が住んでいたり、好きな土地が下位ランクというのはあまり気持ちよく思わない方も多いと思います。
このランキングに全く興味が無い方も、もちろんいますがランキングと言われると気になるのが人の性ですね。
そんな人が真っ先に注目するのは下位ランクの地域です。
これを注目度順に並べると、最下位、最下位の1つ上、上位1~3位の順番となります。
皮肉なことですが、魅力度が低いことで注目を浴びることになります。
逆に言えば、取材などがたくさん来るチャンスということで対象地域の方はどっしりと構えて、地域の魅力をたっぷり語る準備をすることで逆にアピールできると思います。
最下位の茨城県の魅力を考える
それでは今回、最も注目される最下位の茨城県の魅力について考えてみます。
このランキングではほぼ毎年最下位になっているのが茨城県です。
茨城県といえば、水戸市があるところですね。
納豆や、水戸黄門を思い出したり、サッカーの鹿島アントラーズや筑波宇宙センターなど一つ一つの観光資源を見ると何故最下位なのかわからないくらいです。
歴史の資産が大きいと思いますので、大河ドラマで関連が出ると観光に人が押し寄せる可能性は十分にありますね。
このランキングは住みよさなどよりも観光や遊びに行くのに魅力的なところにウェイトがいっている気がします。
ですので、茨城県民の方にはこのランキング自体で自分たちの県のイメージや住みやすさが悪くなるなどの否定的なイメージではなく、毎年のイベント的な感覚で楽しんでおられる方も多いようです。
それでも、少しでもこのランキングを上げようとするのであれば、観光ツアーで水戸黄門関連や筑波宇宙センターや納豆をキーワードにしたツアーを企画して、人を呼び込むことが肝要かと思いますね。
1つの観光地のために遠くからわざわざ来る人はなかなかいないと思うので、何個かの観光地巡りがパッケージングされたツアーが必要です。
当の茨城県知事は最下位など意にも介していないようなので、さすがの器の大きさだと思います。
ランキング発表の意味や基準に疑問の声も
毎年上位、下位がほぼ決まってしまっていることもあり、この調査そのものをやる意味が感じられないとの声や、毎年下位で発表される地域への配慮をして上位ランクだけの発表にとどめた方がよいなどの声が上がっています。
特に、この2年は飲食・観光業が非常に厳しいこともあり、このランキングでイメージダウンにつながるようなことがあれば、それこそ笑い事ではすまないことです。
今回で16回目となる魅力度ランキングですが、誰のためのランキングなのかを今一度考えてみる時期に来ているかもしれません。
ランキング上位が固定されるわけを考えてみる
観光客が旅行先を選ぶ時に何種類かのプランを比較して決めると思いますが、旅行会社がより魅力的なプランを組みやすい地域が上位ランクの地域に固まってあるというだけの話だと思います。
観光客は○○県に行くというよりも、○○美術館や○○旅館、○○の景色を観るために行くという感覚で行っているだけで、自分の行きたいところがたまたま北海道や京都府にたくさんあるというだけの話だと思います。
せっかく行くのだからその辺りで色々観光できるところを観光してきたいと思うのは当然で、狭いエリアに観光地が密集しているか、バスなどのコースが充実している所に観光客が集まるのも当然のことです。
そして、観光客が見込める地域には働き手も集まり、受け入れる体制が確立されるので、余裕を持ってよい接客からよい口コミが生まれ、好循環が生まれます。
逆に人が集まるかわからないため手探りで少ない人数で運営している地域はそもそも受け入れられる人数が限られるため、観光客の数に差が出るのは当然です。
都道府県の魅力度ランキングの決め方:まとめ

今回で16回目となる都道府県魅力度ランキングがどのように決まるのかその決め方を見てきました。
メールでの回答に基づいて数値を加算して、その点数の大きさで順位が決められていることがわかりました。
回答者の年齢や性別、地域に偏りが出ないように調整されながら集計されています。
ランキングは上位4位までの都道府県と最下位がほぼ毎年決まっている中、発表の意味も問われはじめています。
これは魅力度というよりも観光客の獲得ランキングともいえます。
それぞれ、その地域に愛着を持って住んでいる方や商売でしのぎを削っている方の気分を害したり、実際の商売に影響を及ぼすものとして認識されるとこの発表にも何らかの変化があるかもしれませんね。
ただ一つ言えるのは、このランキングだけでそれぞれの地域の魅力を判断できるほど単純ではなく、それぞれの地域ごとに他の地域には無い魅力があるということです。
逆に、住人の方からすれば静かな環境が魅力に感じていたのに、観光客が来ることで困ってしまうということも現実に起こっています。
このアンケートを機にそこに住む人から見た地域の魅力と観光に訪れる人から見た魅力の違いがあるということをもう一度考えてみる必要がありますね。
以上、都道府県の魅力度ランキングの決め方についてのお話でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。