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観光競争力とはなに?歴代のランキングは?日本が初の世界一に

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こんにちは。

コロナがあまり人々の行動を妨げることが少なくなって、いよいよ観光が楽しめるようになりそうな予感がします。

先日、観光競争力のランキングが発表されてなんと日本が初の世界1位ということで、なんだか日本人としてうれしさを覚えました。

でも、観光競争力とはそもそも何なんでしょうか?

今回は観光競争力とはなに?という疑問や歴代ランキングについてお話しします。

 

観光競争力とはなに?なにを基準に決める?

観光競争力と一言で言われても、観光客が多い国なの?とか観光収入が多い国かな?とかイメージで思ってしまいがちですが、いったいなんなのでしょうか?

観光競争力は正式名称が旅行・観光競争力ランキングの基準点の高さのことです。

独特の計算方法で算出された数値の合計数の順番でランキングが決まります。

観光競争力ランキングは雰囲気やイメージで決めるような単純なものではなく、全部で90項目からなる各項目それぞれに各国の順位がつけられます。

例えば、日本が世界ランキング1位の項目は

組織化された暴力、10万人あたりの死亡数の少なさ

10,000人あたりの病床密度

月次/四半期の旅行・観光データ提供の適時性

経済的開放度

電車・列車サービスの効率度

公共交通サービスの効率度

15〜24歳のニートの割合の少なさ

 

などですが、この中で高いほうがいい項目と低いほうがいい項目に分け計算式にあてはめて

1~7の項目に変換して数値化します。

例えば10万人あたっりの死亡数の低さは低い方がよいので下記の計算式にあてはめます。

-6×(国のランク数値-最もよくない数値)÷(最もよい数値-最もよくない数値)+7

これに具体的な数字をあてはめていきます。

-6x(1-1)÷(140-1)+7=7

今度は高い方がよいものの計算方法です。

6x(国のランク数値-最もよくない数値)÷(最もよい数値-最もよくない数値)+1

これを具体的な数値にあてはめると

6x(1-134)÷(1-134)+1=7

というわけでランキング1位は必ず7になり最高スコアとなるわけです。

こうして90項目全てが1~7の数値にされ、その合計点でランキングが決まるわけです。

 

観光競争力はだれがいつ決めるの?

観光競争力は世界経済フォーラム(WEF)という各国の政治・経済・学門研究などのリーダーが連携してつくった国際機関によって2007年以降、レポート作成が行われています。

2007年~2009年までの3年間は毎年発表されていましたが、それ以降は2年ごとに発表されています。

世界経済フォーラムは歴代首相が毎回出席して演説をしたりするような、まさに国の経済、政治を動かすリーダーの集まりです。

 

観光競争力が高いと何かいいことあるの?

観光競争力レポート作成の目的は旅行・観光業から利益を得る企業や個人に対して共通認識としての情報提供ということです。

旅行・観光業者さんたちがこのデータを見て、例えば「電車・列車サービスの効率度が高い」となれば電車が時間どおりに運行していることがわかります。

そうなれば観光ツアーを組む時により精密で具体的なスケジュールが組めます。

魅力的な観光地をたくさん計画に組み込めるので、観光旅行する人にとっては魅力的なツアーとなり、当然参加者も増えるわけです。

 

観光競争力の歴代の上位国は?

旅行・観光競争力総合順位

順位 2021年 2019年 2017年
1 日本の旗 日本 5.2 スペインの旗 スペイン 5.4 スペインの旗 スペイン 5.43
2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 5.2 フランスの旗 フランス 5.4 フランスの旗 フランス 5.32
3 スペインの旗 スペイン 5.2 ドイツの旗 ドイツ 5.4 ドイツの旗 ドイツ 5.28
4 フランスの旗 フランス 5.1 日本の旗 日本 5.4 日本の旗 日本 5.26
5 ドイツの旗 ドイツ 5.1 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 5.3 イギリスの旗 イギリス 5.20
6 スイスの旗 スイス 5.0 イギリスの旗 イギリス 5.2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 5.12
7 オーストラリアの旗 オーストラリア 5.0 オーストラリアの旗 オーストラリア 5.1 オーストラリアの旗 オーストラリア 5.10
8 イギリスの旗 イギリス 5.0 イタリアの旗 イタリア 5.1 イタリアの旗 イタリア 4.99
9 シンガポールの旗 シンガポール 5.0 カナダの旗 カナダ 5.1 カナダの旗 カナダ 4.97
10 イタリアの旗 イタリア 4.9 スイスの旗 スイス 5.0 スイスの旗 スイス 4.94

(出典:ウィキペディア)

上記のように近年の上位国はスペインやフランス、ドイツ、アメリカなどです。

2015年に評価基準が大幅に変わったのですがそれまでは日本は上位20カ国にすら入っていませんでした。

2013年以前は安全・衛生面に対する評価が重視されていてスイスがずっと1位でした。

その後、インフラや自然・文化資源に対する評価が高くなってから日本が高く評価されるようになってきました。

 

観光競争力の上位国は観光収入が高い?

順位 名称 単位: 100万USドル 前年比 地域 推移
  合計 1,604,054.40
1位   アメリカ 256,145.00 北米 アメリカの推移
2位   スペイン 81,250.00 ヨーロッパ スペインの推移
3位   フランス 73,125.00 ヨーロッパ フランスの推移
4位   タイ 65,242.00 アジア タイの推移
5位   ドイツ 60,260.00 ヨーロッパ ドイツの推移
6位   イタリア 51,602.00 +1 ヨーロッパ イタリアの推移
7位   イギリス 48,515.00 -1 ヨーロッパ イギリスの推移
8位   オーストラリア 47,327.00 オセアニア オーストラリアの推移
9位   日本 45,276.00 +2 アジア 日本の推移
10位   香港 41,870.00 アジア 香港の推移

上記の表は2018年のものです。

観光競争力レポートで関係がある年度は2017年度だと思いますが観光競争力レポートではアジアの国は日本を除いて皆無なのに対して、国際収入ランキングではタイや香港などが上位ランクインしています。

またアメリカは観光競争力レポートでは2017年度は6位なのに対して観光収入はダントツの1位です。

こうして見ると観光競争力レポートが直接観光収入を上げることに直結するとは言えないですね。

 

観光競争力の上位国の共通点は?

今まで見てきた中で言えることは、観光競争力レポートは欧米偏重で評価されているということです。

アジア各国の評価はまだ低いですが実際には訪れる人は多いということがわかります。

世界経済を牽引しているのは欧米諸国という評価なのでしょうね。

その中でアジアで唯一、高評価を獲得している日本は電車・列車の時間がほぼ時間通りに運行されるということが、世界的にみると珍しいことのようです。

そういったことは国民性にも関わることなので、なかなか真似のできないものだと思います。

 

観光競争力とはなに?歴代のランキングは?:まとめ

観光競争力が世界経済フォーラムで発表されるレポートの一つだということがわかりました。

観光競争力ランキング1位を獲得した日本は世界的に見ると、観光旅行をするにはとても魅力的に映るようですね。

こういったことは内側にいるとなかなかわからないことなので、この機会に日本の魅力は何だろう?と考えるきっかけになります。

個人的には京都の町は歴史を知るうえでも、観光としてきれいな景色をみるにも最高の町として世界に誇れると思います。

この先コロナが少しずつ終息へ向かうことで、海外からの観光も増えてくると思います。

観光旅行関連の企業はこの3年弱の期間に「自粛」のために大きなダメージを受けました。

旅行者が何を魅力ととらえてその場所を訪れるのかを見極めて、色々なプランを提供して頂けたら日本がもっと元気になっていけると思います。

というわけで、今回は観光競争力とはなに?歴代ランキングは?というお話でした。

ABOUT ME
hopendoors
神戸在住。三重、東京、石川、愛知、岐阜、福井に在住経験あり。 日常の思いつき、気になったことをブログにしています。 サッカー観戦、釣り、キャンプを中心にアウトドア全般が好き。 家族からは変わり者と言われますが、外ではいい人で通ってます。 ひらめき、思いつきを大切にしています。